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里見岸雄『国体に対する疑惑』を読んで (高倉和也)
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私は保守系の講演会に参加したり、その後の懇親会に参加する度に疎外感や劣等感を感じていました。それは、ただ単に知識が足りないことによるものだけではなく、保守系の方々に共通している感覚を共有できないことによるものでした。天皇や皇室に関する敬意は持っているのものの、拭い去ることのできない疑問が胸のうちに去来することを意識する度に、私は他の人が理解できることを理解できないという、疎外感や劣等感を感じていました。これはいくら本を読んでも、いくら講演会に参加しても解決できるものではありませんでした。

たとえば、『国家の品格』において、藤原正彦氏は「論理と情緒」という考えを用いて、論理に対して疑問を投げかけ、論理的に正しいからといっても、情緒的に受け入れられなければ、それは論理として間違っていると言っています。

しかし、私は論理的なものに対しては論理的に反論できなければ説得力はないと思うのです。子供が親に対して素朴な疑問を持ったときに「そういうものだから」「何を偉そうな事を言っているんだ」などと論理的ではなく、情緒に頼って説明してしまうことは、説得力が全くないうえに、いたずらに反発心を植え付けるだけになってしまうのではないでしょうか。

特に天皇や皇室に対してそういう疑問を持った場合、そのような疑問を持つこと自体がいけないことだ、あるいは疑問を表明してはいけないという雰囲気が保守陣営に存在するのを感じます。

しかし、天皇や皇室に対して敬意を持ちつつも、素朴な疑問を持つことはあり得ないことなのでしょうか。私はそうは思いません。かつて、「なぜ殺人をしてはいけないのか」という子供の質問に対し、大江健三郎氏が「そのような疑問を持つこと自体が悪いことである」と回答していたのを思い出します。

はっきり言って全く説得力がありません。別に子供は人を殺したいとは思っていないのです。あなたが人を殺すことを認めると、他の人があなたを殺すことも認めることになる。それでは困るから、あなたも人を殺してはいけないのだ、という様にきちんと説明することもできるのです。それをせずに、高圧的な回答をすることはただの逃げであると言わざるを得ません。

それと同じように、天皇や皇室に対して尊敬する気持ちを持ちつつ、素朴な疑問を持つことは不敬には当たらないでしょう。

しかし、私の経験上、保守の方々に対して天皇や皇室に対する質問をしても明確な答えが返ってくることは皆無であり、論理的に質問を続けると「不敬だ」と怒られるのではないかという恐怖を感じ、そこで質問するのを止めてしまうのです。そのようにして私の心の中のモヤモヤが解消されることはありませんでした。論理的に説明することはもちろん難しいことですが、それらの疑問に対して「不敬だ」などと言って押さえつけるだけで、論理的に説明することじたいを否定してしまうと、はじめ小さな疑問であったものが、天皇や皇室に対
する反発につながってしまいかねません。

そのような時に、私は左翼の方々の気持ちがよく分かりました。このモヤモヤが解消されることが無いどころか昂じたために、天皇や皇室に対して反発するようになってしまったのでしょう。

杉本五郎中佐著の『大義』を読んだとき私の不満は、頂点に達しました。中佐が、天皇や皇室に対して敬意を持っているのはよく分かります。しかしながら、私も敬意を持っているのです。それにも関わらず、中佐は自分が天皇や皇室に対していかに敬意を持っているのかを、強い語気で説明することに終始します。加えて、その理由説明も弱すぎると感じました。

私は、理由が知りたかったのです。けれども、それを説明して下さる方は残念ながら皆無でした。もちろん、論理的に説明できないものは否定するというほど私は馬鹿な人間ではありません。子供のころに親から言われた、「そういうものだから」、「いつか分かるよ」と同じ類の説明なんだろうな、と納得しつつありました。実際そういう説明も悪くは無いでしょう。本当に分かる時が来るかも知れないのですし…。

この『国体に対する疑惑』を読んで、私は今まで胸の内に抱えていた疑問の多くを解消することができました。私が抱えていた、もしかしたら保守を標榜する多くの人々も抱えているかもしれない、数々の疑問に対する回答がここにはあるのです。里見岸雄博士の人柄なのか、読者の疑問を受け止め、さらにその疑問を明確に定義し直した上で、論理的に回答して下さるのです。私の様な人間にとって、これほどありがたい本はありません。今後、里見博士の他の著作も読んでいこうと考えています。

私はこの本を読んで以来、疎外感や劣等感を感じることが急激に減少しました。今でも、講演会や懇親会に参加したりする度に、私の天皇皇室に対する理解の仕方と他の方々の理解の仕方とが違うと感じることはあります。しかし、それでいいと考えています。他の人が感性的な側面を重視するのに対して、私は理性的な側面を重視しているだけなのです。

もしも私と同じように、天皇皇室に対して敬意は持ってはいるものの、人には言えない疑問を持っている方がいらっしゃれば、『国体に対する疑惑』を隠れて読んでみることをおすすめします。もちろんそうでない方にも。

(たかくら・かずや)新風本部 学生部長


 里見岸雄著 日本国体学会刊

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| SHIMPU + REVIEW | 21:55 | comments(2) | - | pookmark |
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コメント
 このブログを受けて、「国体に対する疑惑」を読ませて頂きました。天皇、国体というものが今まで漠然かつ曖昧模糊としていましたが、この本によってある程度、秩序だったものを懐く事が出来ました。
| 叛逆のくりぃむ | 2011/03/10 6:11 PM |
>叛逆のくりぃむ様
コメント有難うございます。
おっしゃるとおり我々陣営には天皇、国体という思想の核であるべきものに対してまだまだ知見が浅いのではと感じます。
私自身もまだまだ勉強不足であり、更なる研鑽が必要であることは言うまでもありません。
これからも、ご意見をくださる皆様と共に知識を深めていきたく存じます。よろしくお願い致します。
| 管理者 | 2011/03/13 10:10 PM |
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