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関岡英之『中国を拒否できない日本』(金友隆幸)
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「いま起きていることは、近代以降、私たち日本人が初めて直面する事態なのである。」

関岡英之氏の『中国を拒否できない日本』は、現在の我が国に降り掛かりつつある事態に関する、このような一節から始まる。

では、この史上未曾有の事態とは何か。端的に言うならば、 ― 支那の史上最大の膨張 ― である。それは政治、経済、株式、資源、産業、軍事からコンビニの店員にいたるまで、あらゆる場面で我々日本人が逃れることのできない存在に肥大してしまった。

およそ東京都内に住んでいれば、友達と会わない日こそあれ、支那人を目にしない日は少ない。すでに都内在住の支那人は15万人を超え、全国では80万人に迫る勢いで、我が国最大の民族集団を形成している。これは今まで最大勢力であった在日朝鮮人を既に抜き去り、今後も激しい増加の兆しを見せているのだ。

自分が本書を知ったのは、去年の暮れにあった関岡氏の講演会である。演題は「日本の真の独立は ― 米中二大覇権国のはざまで」といったもの。これまで拒否できない日本』など、アメリカの内政干渉の如き対日圧力を調査し、健筆を振るって来た関岡氏のことだから米中の事を半々話されるのかと思いきや、始終支那問題を熱く語られていたので、とても印象に残っている。

関岡氏は鋭敏な感性と、“オープンソース”への入念な取材で、時代を先取りした警世的な書を著して来られたが、今回は支那に的を絞ったのは、一つの時代の流れとも言うべきか。

そもそも、関岡氏の問題意識は平成20年4月の北京オリンピック聖火リレーが長野で行なわれた時にさかのぼる。当時、チベット問題に端を発し、世界中で轟々たる批判と抗議が殺到する中、「聖火」は全世界を駆け巡った。

聖火リレー当日、長野市内は五星紅旗の大群衆に埋め尽くされた。支那人が日本人に怒声を浴びせ、暴行をふるう。まさに長野が北京か上海にでもなってしまったかのような情景であった。

この事件を関岡氏は「長野赤旗氾濫事件」と呼び、「中国政府が、日本に在留する自国民を組織的に動員して、日本の主権下でこれほど大規模な示威活動を公然とやってのけたのは開闢以来初めてではないか」と指摘し、第二、第三の「赤旗氾濫事件」は発生すると警鐘を鳴らす。そして、この「赤旗氾濫事件」とは昨年七月、支那中共が制定した「国防動員法」の海外における発動の予行演習だったのではないかと推論する。

そもそも、支那においては戦争の概念は我々日本人とは大きく異なる。平時と戦時を結びつける「平戦結合」と、軍事に民生の総力を用いる「軍民結合」の思想があり、戦争概念が極めて曖昧で広汎に渡る。

こうした支那人の戦争に対する発想は喬良、王湘穂という2人の人民解放軍空軍大佐が書いた『超限戦21世紀の「新しい戦争」』という本に示されている。 ここで二人は、軍事と非軍事を問わず、様々な次元が戦争の空間や手段になると説く。金融戦、貿易戦、密輸戦、経済援助戦、法律戦、心理戦、世論戦…。 そしてこの非軍事の戦争で“兵器”となるのが、株式、資源、エネルギー、食糧、水、法律、メディア、世論、情報、言語、移民などである。今や支那は、これらを総動員して、我が国に総力を挙げた“超限戦”を仕掛けて来ているといっても過言ではあるまい。

関岡氏は最後に、我が国が支那に備えるためにも核武装の検討を始めるべきことを示唆されている。全く同感である。しかし、現在支那が仕掛けている総体的な侵略に対して、核兵器は一部分での抑止にしか成り得ない。核兵器を持っても、支那人の怒濤の如き移民は日本を目指して来る。

核ミサイルや空母でも対処できない ― ではどうするのか、まさに私たちは、日本人が初めて直面する事態に直面しているのである。その事態を正しく認識し、我々が何を為すべきかという大きな道標を本書は与えてくれている。

『中国を拒否できない日本』を正しく読むならば、“中国を拒否しなければいけない日本”である。我々の叡智と勇気が問われている。

(かねとも・たかゆき)新風東京
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