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「希望を捨てる勇気」とは…
池田信夫『希望を捨てる勇気-停滞と成長の経済学-』(飯ヶ谷裕司)
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国家よりも営利行為のほうが大事とでも言いたげな、大企業の膨張主義に私は違和感を感じてきた。まるで動きを止めたら死んでしまう回遊魚。なぜ、永久に膨張し続けなくてはならないのか。もちろん、それら大企業が業績を伸ばして税収が増大しなければ、国力が低下することも分かっている。

我が国は何処に向かうべきか。それを考えるためにも、正確な現状認識が必要だ。その点で、本書は極めて示唆に富んでいる。

中でも、雇用に関する議論は極めて示唆的だ。終身雇用は日本の伝統ではなく、それは必ずしも希望を生み出さないと池田氏は指摘する。

鳩山内閣の郵政担当相だった亀井静香が「日本郵政グループにいる22万人の非正社員のうち、10万人を正社員に登用する」という方針を打ち出した結果、8400人の非正社員が正社員に登用されるのと引換えに、2012年度の新卒採用が中止になって2000人の雇用が失われ、さらに今年3月末で期限の切れる非正社員のうち2000人が「雇い止め」された。「可哀想な非正規社員(派遣労働者など)」という人道主義が4000人の雇用を奪うという皮肉。

社会的弱者である非正規労働者を救うには、正規雇用化が必ずしも正しい回答ではない。非正規雇用者に対して必要な措置とは、(日本郵便のように)業績が悪い企業が無理をして正規雇用することではなく、同一労働・同一賃金など待遇の改善や一層の雇用流動化だという主張には目から鱗が落ちた。

雇用慣行をはじめ、格差の固定化や税制の欠陥など本書が提起する問題意識は、多くの政治家によって共有されているのかもしれない。けれども、あらゆるところに種々の利権が絡まり、どれほど合理的な政策も各種利権団体の尋常でない圧力を受けて骨抜きとなり、ことなかれ主義が横行するために改革は遅々として進まない。これは、拉致問題を取り巻く構図と全く同じだ。

停滞から衰退へ向かいつつある我が国を建て直すためには、問題の本質を正し く把握するだけでなく、既得権者を恐れずに大胆な政策転換を図る必要がある。 社会の衰退に合わせた生活水準の見直し、ひいては物的充足とは異なる幸福を 見出すことも視野に入れる必要がある。筆者の主張とは別の意味において「希 望を捨てる勇気」が求められているのだ。

(いいがや・ゆうじ)新風本部青年部長

▽池田信夫著『希望を捨てる勇気-停滞と成長の経済学-』
ダイヤモンド社 定価1600円(税別)http://amzn.to/kt5JpJ
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