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環境対策のすゝめ               大島優樹
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そもそも、なぜ二酸化炭素が増えると地球が温暖化するのか。それは二酸化炭
素が地球から宇宙空間に放射される赤外線を吸収し てしまうからだ。水蒸気や
オゾンなど、他にも温室効果の高いガスはあるけれども、化石燃料の使用など
人間の活動によって大気中の二酸化炭 素が増えることにより、その分宇宙へ向
けての熱放射が減るため、熱がこもってしまうのである。温暖化の原因は二酸
化炭素でないとか、そも そも地球は温暖化していないといった些か陰謀論めい
た意見もあるが、信憑性のあるものは無いというのが実際である。

民主党政権が 誕生し、鳩山首相は温室効果ガスの排出を25%削減する目標を
掲げた。高速道路無料化やガソリンの暫定税率廃止など、他の政策がこれに完
全 に逆行しており、実効性が疑問視されることは今回は措くとして、目標を達
成するために製造業を中心として多くの負担を強いられることは確かだ。そ れ
らの企業関係者でなくとも、国民一人一人の負担も大きくなるだろう。また、
本メルマガの読者の中には、国際社会で日本の負担だけが大きくなることへの
懸念を持つ方も多いのではないだろうか。

しかし、私はやはり温暖化対策を推進すべきと考える。理由は簡単で、国益に
叶うからだ。

地球温暖化によって起きている、もしくは今後起こるであろう問題としては気
候の変化による旱魃・水不足、 集中豪雨による洪水や土砂崩れの増加、生態系
の変化等が挙げられる。
洪水や土砂崩れは直接人命に関ることだし、自然環境の破壊も広い意味 で我々
の利益を侵害するといえる。また、エネルギー小国である我が国にとって、エ
ネルギー消費を抑える意味は大きい。

悪名高い環境保護団体グリーンピースの「環境に優しい電機メーカー・ランキ
ング」における日本企業の順位は低かったが、実際のところ日本は環境技術先
進国である。環境対策はコスト面において劣勢に立たされている我が国の産業
にとって追い風なのだ。かつて国益に反するとしてアメリカは京都議定書から
脱退したが、無駄に大きな車を作っていたGMは破綻してしまった。オバマ大
統領のグリーン・ニューディール政策もリベラリ ズムの発露というよりも、ア
メリカの環境適応技術の遅れや競争力の弱体化を危惧してのことだろう。

環境対策など必要無い、もしく は逆に環境対策が何よりも優先される、という
ほど世界は単純ではない。風が吹けば桶屋が儲かるではないが、何か政策を実
行すれば必ず副作 用がある。なぜ温暖化を防がなくてはならないのか、温暖化
対策をすることでどのような利益と不利益があるのかということを踏まえ、如
何に 他国を動かしていくか、そして我が国がどの様な恩恵を得るかという、国
際的な視野で戦略的に考えていかなければならない。

                      (おおしま・ゆうき)新風栃木


JUGEMテーマ:環境問題
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